2013年12月 9日 (月)

リムストーンプール各種

 リムストーンプールと呼ばれる鍾乳石がある。水が入っていない場合は単にリムストーンと呼ばれる。

 洞窟の中では結構見かける鍾乳石であるが、形やサイズは様々である。

床を流れる水が、床の上の僅かな段差などを契機に成長して棚田のようになったものだ。ちなみに、このリムストーンプール。トルコのパムッカレや中国の黄龍など屋外にも生成される。国内でも確認されているが、残念ながら綺麗で大規模なものは無い。
 このリムストーンプールは屋外にできたものの方が太陽の光を浴びて見た目には美しいと私は思う。洞窟内のリムストーンプールは自らの照明だけでしか水の青さを出せないので、自前で用意しなければならない。

 屋外にできるリムストーンプールは洞窟内のものとは、やや成因が異なる。所謂棚田の堤に相当する部分がトゥファと呼ばれ、生物の光合成が関与しているという点で洞窟の中のリムプールストーンとは異なる。近寄ってみるとこの堤の部分に落ち葉が混じっていたりということがある。この点では洞窟の中のリムプールのほうが美しいけれど。
 なお、このトゥファを解析すると過去の古気候が再現可能ということで、研究は国内でも行われている。

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   中国四川省黄龍(1991年撮影)

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 水深が浅いと色は出ない。

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 有名になってしまったリムストーンプール

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2013年12月 6日 (金)

空中浮遊鍾乳石

この間の沖永良部ロケの撮影の際に見つけた鍾乳石。

国内では秋吉台に次ぐ、二例目の発見かな。すべての報告を把握している訳ではないから、他にもあるかもしれないが。フェースブックの数千人が登録している洞窟関係ページで聞いても見たことがあるという人がいなかったので、世界的にも珍しいような気はする。ただ、そんなに綺麗なものではないから、誰も気にしていないだけかもしれんけど。
で、これはおそらく蜘蛛の糸か、菌糸の先に鍾乳石がぶら下がっている。

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ちなみに、撮影終わったあとに見つけたので、本放送には使えなかった。

 まだ、タレントさんが居るときなら、螺旋つらら石よりも珍しいものと言えたのかもしれないし、そのタイミングなら、一眼レフを持っていたのでもっと綺麗な写真が撮れた。

 しかし、この時はタレントさんらを洞窟から出洞させて、撤収のために再入洞した時なので、一眼レフは車に置き去り。かろうじて持っていた防水コンパクトカメラでしか撮影できなかった。途中で電池なくなるし。

というわけで、次に行った時にはしっかり撮り直したい。 ともかく、写真を撮っているといろんなものを見つけるなあ。

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2011年9月26日 (月)

スレーブユニットでの撮影

洞窟写真を撮る際には、多灯フラッシュ撮影が欠かせない。

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この写真では、7台ほどのスレーブフラッシュを使用している。GNは20~32ほどである。他にピンポイントで「光る小町2」を使用している。

 この写真では以前紹介した、高感度のスレーブユニットであるFirefly2と3を5台使用している。こうした撮影においてはFireFly3のプレフ ラッシュ対応機構は使えないので、安いFireFly2で十分である。現在は55Euroで売られているので、6千円ほどであろうか。

 本当はもう2台フラッシュを使いたかったのだが、今回の撮影中に故障してしまったので仕方がない。滴下水が落ちる洞窟内では、防滴性能に欠けるフラッシュは、なかば消耗品扱いになりがちである。本当は、サランラップ巻きとか、テープを張っていくらかでも防水性を高めるべきなのであるけれども。
 カメラももちろん防滴性が高くないと厳しい環境下である。これまでも非防滴のリコーGXとGX100がズームが動かなくなるなど壊してしまってきている。洞窟内の撮影では、どうしてもマニュアルモードのあるカメラでなければならないので、防水コンパクトデジタルカメラでは非常に厳しい。かといってマニュアルのある高級コンパクトデジタルカメラでは防滴性能がない。
 そんなこともあって、結局GX100が壊れた後に一念発起してボディとレンズに防滴性能のある一眼デジタルカメラを大枚叩いて買ったのである。防滴性能のあるボディやレンズは、デジタルカメラの中でも高級機しかないこともあり、描画性は高級コンデジとは比較にならないので、やはり買ってよかった。けれどもプラス数キロの重量増によって洞窟内での疲労の度合いはかなり増してしまった。腕が痛い。

 

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空中浮遊鍾乳石?

少し前になるが、珍しい鍾乳石があるというので写真を撮りに行ってきた。

何が珍しいかというと、一見、鍾乳石・・・・というかまあストロー管の先端である。その先端が空中に浮いているのである。昨年、その存在を聞いた時にはすぐに撮りに行くぞと思っていたのであるが、しばらくするとすっかり忘れ1年ほど経ってからの撮影に相成った。

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とまあ、この写真の通り。何で浮いているかは。種も仕掛けもありません。謎である。やはりこの場の重力異常が関係しているのか、謎のオーラが出ているのか、よくわかりませぬ。




ということはなくて、種も仕掛けもあるんですけどね。この写真では、ちょっと判らないですが。

しかしまあ、よくもまあここまで成長したものだ。

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2011年9月21日 (水)

河内観察会

この3連休は滋賀県の河内風穴に行ってきた。3連休といっても後半二日だけであるけれど。

初日は月曜日に行われる予定の河内風穴観察会の準備ということであったけれど、全員でやるほどの仕事もないということと、スタッフの家族が洞窟に入ってみたいということで案内することとなった。ついでに小学1年の息子も連れて行く。

 ただ案内といっても、人数も少ないし写真を撮りに行きたいということで、かなり奥の方まで入ってきた。

 写真は、新しい・・・・といっても中古のフラッシュを手に入れたのでそれを使用してテストするというのが第一の目的であった。

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鐘の鳴る池。6台ほどのフラッシュを使用。
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 今回は雨が多かったせいか、洞窟内は非常に水が多く、普段水がないリムプールも満水状態であったり写真の撮りがいがあるポイントが多かったのだけれども、洞窟案内をしていたこともあり2箇所でしか写真を撮ることができなかった。

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こちらは第一水流の水の湧き出し部。

鐘の鳴る池は水が多すぎて、水を濁らせずに池を渡ることができなかった。もう少し少ない方が綺麗な写真が撮れたかもしれない。

翌日は30名弱の参加者を迎えての河内風穴観察会であった。観光洞からカエル岩と呼ばれる場所まで連れて行くのだけれども、例年よりも人がかなり多く案内に時間がかかり参加者の人には、少々寒い思いをさせてしまったかもしれない。

下記に取材された中日新聞記事があります。

http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20110920/CK2011092002000109.html

また、多賀観光協会のブログにも写真が載せられています。
http://blog.taga-kankou.com/?eid=1435651

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2011年9月15日 (木)

国際洞窟写真家会議

先月、フランスで行われた、国際洞窟写真家会議に行ってきた。世界中・・・・といっても欧州と米国、日本からの参加者だけであるが、30人ほどの洞窟写真家とそのアシスタントで計70人ほどの小さな国際会議である。

 

写真家が集まる会議だけあって、皆高価な機材を持ち込み、そしてその機材で撮るモチベーションの上がる洞窟への巡検が用意されていた。
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 会議は1週間の会期で、そのうち5日間が巡検、1日が講演などに当てられていたが、洞窟巡検後の夜に毎日参加者が持ち寄った写真の上映会が行われるなど、暇のない忙しい一週間を過ごすこととなった。
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上の写真の穴は観光洞の奥・・・というか観光洞のレベルから100mほど降りた先の水流の奥にある。観光ケイビングガイドツアーも行われており、観光客でも来ることが一応可能である。

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 これはPNという穴。大き目のギャラリーと豊富な二次生成物が特徴。

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 銅の影響で、青く染まったカーテン。この地域の洞窟には鉱物の影響でさまざまな色をした二次生成物が見られる。

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一つ前の写真と同じ場所。青い二次性生物が点々と存在している。

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 微細なカルサイトの結晶。透明度が非常にある。

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 二次性生物とプール。プールの色をうまく出すことができなかった。撮りかたによってはもっと綺麗な緑色になったと思う。

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 ガリガリ君色のアイスキャンデーではなく、アラゴナイト。

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 背後から光を当て、透明感をだしてみた。青いアラゴナイトは本当に美しい。

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 無論、透明なストローなども美しい。先端部に伸びた結晶と、水滴に背後の景色が写り込んでいる。

 こうした写真を撮ることができ、とても楽しかった。最終日には地元の人々を招いての上映会があり、一番遠くから来たということで記念品を町長からもらったりもした。
 この時に、他の写真家の撮影した写真を見たが、人それぞれ特徴のある写真を撮っている。動きのある写真、綺麗な写真、いろいろあり、とてもよい刺激となった。

 数年後に次の会議があればまた参加したい。というか、次の会議を押し付けられそうな気配がなくもないけれども。

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