九州洞窟談話会その1
先週末に九州洞窟談話会があったので行ってきた。
佐賀大、九州大、長崎大、熊本大、鹿児島大の各探検部と山大洞研、岡大ケイビンググラブ、カマネコ探検隊、日本洞窟学会洞窟救助委員会の参加があり、計40名以上の参加者となった。会場は平尾台である。
初日午前はSRT講習の座学、午後は林でのSRT講習と、消防による救急救命講習が行われた。
私は翌日のSRT講習で使う予定の深さ90m程の竪穴のリギングを行った。ドリーネ底にある洞口から5ピッチで最深まであと少しまで達したあと、すぐに10m弱登り返し、横穴を少し移動しながらさらに2ピッチで最深部のプールに到達する穴だ。
本来リギング予定ではなかったのだが、諸般の事情で急遽行うことになってしまった。
この穴には20年以上前に第一ピッチだけ降りたことがあるだけなので、実質的に初見のようなものだ。所見の穴のリギングは楽しいので、まあいいかと写真撮影を諦め引き受けた次第だ。
この穴は短めのピッチが多く装備を多用する。そう、多用するのだが、そんな面倒な穴だという記憶が欠如していた私は惜しげもなくハンガーを使用してしまった。結果4ピッチ目でハンガーをほぼ使い果たしてしまい、その後のリギングに支障がでた。不足したハンガーは4個ぐらいではあるのだけれど、5ピッチ目では最後の一つのハンガーとナチュラルを使用した。ここはかなり怖いトラバースのリギングをするか、一度底まで降りて難しいフリークライムをするかというリギングが行われるようであったが、トラバースには装備が足りないと、降りることにした。しかし、5mほど降りたところで、「振り子できるんじゃね」とチャレンジしたら、やや難しかったものの、降り口と反対側にある横穴に飛び込むことができた。この時点で入洞後2時間半ほど経っていた。下の写真はややピンボケであるが振り子写真。
その先はリギングを交代してもらい、お役目御免とばかり暢気にしていた。交代者は装備がないので随分悩みながらリギングしていた。目の前にハンガーがあれば使えるアンカーがあり楽々リギングできるのに、無いのはつらいだろう。
しかしついに最終ピッチまで行ったもののナチュラルアンカーがなく降りれないという。装備のテープ二本。どれどれと、アンカーを探してみると、周囲には確かにない。もっと戻ればあるのだろうが、プロテクターもなく厳しいという感じ。けれど、もっとよく探してみたら、泥の詰まった小さなアイホールを発見できた。ロープ一本が通るぐらいの穴で長さも5-6cmほどか。岩の厚さは1cm強というところだったと思う。
普段なら使わないが、同じようなアイホールをもう一箇所見つけ、Yビレイが作成できたので、大丈夫と判断して降りた。ロープやテープをアイホールに通すのに5分から15分ほどかかった。こういう時のために引っ掛け可能なピンのようなものがあると便利かもしれない。
さて最深部にはプールがあると聞いていたので期待して見に行ってみるものの、残念ながらあまり綺麗ではなく撮影意欲がわかなかった。もともとリギングということで防水コンパクトデジカメしか持ち込んでいないので、綺麗に撮れるわけもないのだが、美しければ翌日行こうと考えていただけに少し残念であった。
そんなわけで最深部に入洞後4時間ほどかけて到着し、登り返し始め、1時間ほどで出洞した。最後の一人が出たのはさらに1時間後。振り子やきつめのディーヴィエイションなどにてこずった模様である。振り子は、私でも日本で使うのは2度目ぐらいで、あまり使うことがないので経験のない人には難しいのかもしれない。手順さえ覚えてしまえば、それほど難しい訳ではないのだけれども。
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