2008年度学会大会2日目
大会二日目は巡検と言うことだったのだが、未明から豪雨に襲われテントを出る勇気がなかった。しかし、集合時間の30分ほど前から雨脚が衰えたので、幸いと集合場所に向かう。すると、集合地の観光洞についた頃には、すっかり雨も上がっており、何の問題もなかった。
この日は珪質片岩にできた珍しい洞窟に行くことにしていた。観光洞からは1時間ほど車で行ったところにあるのだが、林道に入ってからが長かった。舗装されているのでたいしたことはないのだけれど、何でこんな山の中にというぐらいである。関東の林道とはやはり趣が違う。
珪質片岩洞窟群は林道のすぐ脇にあり車を止めた場所から5分も歩く必要がない。総計で20本ほどの洞窟があるが、いずれも数mから80mほどと小さい。
基本的には断層に沿って拡大した洞窟のようである。石灰洞とでき方が違うので大きな洞窟にはなりえないだろう。
洞窟には、かなりの数のコキクガシラ蝙蝠が生息しており、場所によってはグアノのプールができていた。また、鍾乳石は石灰洞ではないので存在しないが、珪質系の二次生成物がいくらか生成していた。
小さな洞窟で、蝙蝠が多いということで、蝙蝠撮影にチャレンジするものの、やはりなかなか撮れない。対象物は不規則な動きをするし、ピントを合わせる時間もないので固定ピントで撮りまくるが、どうしてもピントがややずれた写真しか撮れなかった。
この洞窟群の大半は横穴であるが、幾つか竪穴もあり、それらにも入洞した。一つはラダーで、一つはダイナミックロープを使用したSRTで入洞した。こちらは本来ラダーの予定だったそうだが、底まで届かずロープのみとなったものだ。ただ竪穴といっても、深さ5mほどなので、たいしたことはないのでダイナミックロープでも違和感はなかった。これが30mともなれば、きっとゴム紐のように感じたことだろう。
二次生成物は3種類を確認した。二つは珪質系のマイクログールとカーテンである。もう一つは白い生成物であったのだが、正体は不明である。触るとムーンミルクのように柔らかい粘土状である。松ボックリの上にも沈殿していたので、生成には長い時間を要さないもののようで、
炭酸カルシウムではないようである。コウモリグアノの多い洞窟なので、硫酸塩関連のものかなと思うが、分析しないとわからないだろう。
巡検を終え、観光洞に戻る。閉会式までいくらか時間があったので、観光洞観光に行く。久しぶりの観光洞である。やはり観光洞はヘルメットもライトも必要ないし普段着で入れるのでとても楽である。何処をどのように開発したのかなどを見ながら30分ほどで出た。ほどなく閉会式で記念植樹を行い、閉会の辞があり解散となった。
そして15分ほど人と話をしていると、突然の豪雨に襲われた。巡検中は晴れ間もあり、キャンプ場のテントが乾いているだろうなと、喜んでいたのがすべて無に帰してしまい、とても悲しかった。結局、雨の中撤収を行うこととなり、濡れ鼠になったので、風呂に行き、ここまで来て鰻を食わずに帰れるかと、鰻やで食べて帰路についた。
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