入洞許可
先日、とある洞窟の調査に行ってきた。カメラを忘れたので写真を何も撮れなかったのが残念である。
さて、このずいぶん長い間、通っているのだけれど、諸般の事情で、入洞条件がよく替わる穴である。私自身、実際に入洞し難い時期には足が遠のいていたこともあるが、最近は頻繁に訪れるようになっており、洞窟所有者や管理者などとの良好な関係を築くよう気をつけていた。
特に、数年前から昨年までは、非常に入洞しやすいというか、来た者拒まずとなっていて、初心者だけのグループが安易に入洞できているのではないかと危惧することがあるほどであった。しかし、今年に入って、再び入洞し難い状況に変化してきた。入洞しにくいというより、ほとんど不可能な状況になったと言っても良い。幸いにして近年通い詰め、良好な関係を保っていたためか、地主から地域にある博物館と私の主催する調査グループのみに入洞許可をすということとなったけれど、他のグループに関してはかなり厳しい状況になってしまった。洞窟の保護と利用の兼ね合いで、入洞者数を減らしたいなどの意向があるようで、定期的に訪れて顔を知っているグループにしか今後は入洞許可を出さない方向になったそうである。確かに、見たこともないグループから、入洞許可を出してくれと言われても、そのグループがしっかりした団体なのか、そうでないのかなどは、管理者にしてみれば判らないので、そういう運用にしたくなるのは理解できる。
洞窟は地権者や地主、管理者などがいる場合が多い。特に大きな洞窟になればなるほどその傾向が強くなる。そうした時にはそうした人などから、入洞許可を得なければならないのだけれど、許可を出す出さないは地権者・管理者次第なので、信頼を持ってもらえるような申請や信頼関係を築いていくことはとても重要である。けれど、信頼関係を築くのは大変な努力を必要とするので、一つの団体で日本中すべての洞窟で同時に行うのは不可能だろう。
したがって、現在は国立・国定公園指定のあるような一部の地域を除いては、この地域や何処のクラブ、この穴はあのクラブが入洞許可が取れる(もしくは取り易い)というところが多い。無論、誰も許可を取れない日本最深の竪穴群のあるような場所も存在するけれど。
だからこそ、各クラブ間での連携体制を作り、相互にギブアンドテイクの関係・・・とも少し違うのだろうが、紹介しあうことで何処の穴でも入洞できるようになればいいなあと思っている。とはいえ、それもなかなか難しい状況だ。
ちなみに前述の洞窟であるが、私達の調査活動ではケイビングができる人で測量やらなにやらを手伝ってくれるならば、基本的には来る者を拒んでいない。ただ人数が多くなりすぎると困ってしまうのだけれども。
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