2015年12月 4日 (金)

アジア洞窟学連合

先月上旬、中国湖北省の利川に行ってきた。

そこで2005年にギリシャで行われた国際洞窟学会議の際に、韓国の人との間で話に上がったアジア洞窟学連合がやっと正式に発足した。

足掛け10年。正式な発足を目指して最初の会合をインドネシアで開いたのが2011年と4年前。ずいぶん長く時間がかかったが、仕方がない。

アジアから、日本、韓国、中国、インドネシア、マレーシア、フィリピン、イラン、ベトナム、タイなどが参加し、もう数か国が加盟予定である。

 2011年からの準備段階では副会長という仮の肩書はあったけれど、さして仕事はせず。
しかし今回の正式発足にあたり事務局長ということで多くの仕事をしなければならない立場になりました。

 既にいくつかの仕事を抱えているのですが、抱えたまま・・・・。早く処理しなければ。




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2013年12月10日 (火)

ケイビングカレンダー2014年度版

 過去20年あまりに渡り洞窟写真の発展に多大な役割を果たしたスイスのスペレオプロジェクトが発行するケイビングカレンダーがある。

 

毎年素晴らしい世界の洞窟写真を使用したカレンダーを発行しており、このカレンダーを見て、洞窟写真を撮始めた人も多いのではないだろうか。かく言う私もその一人のような気はする。

 さて来年2014年版のカレンダーであるが

Cal2014cover600

の5月の写真であるが、

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私の写真が使われた。秋吉台の大正洞というところの写真である。
日本の洞窟や写真家が出たのは今回が始めてである。再来年以降も掲載できるよう、頑張って写真を撮らねばなるまい。掲載が常連となっているPhilippe CrochetやRoberto F. Garcia,Robbie Shone, Kevin Downeyらには、まだまだ及ばない。だけれども、国際洞窟写真家会合などで彼らと一緒に行動したり話をしたりしていると、自分の写真の撮り方や考え方にまだまだ改善の余地はあるので、少しずつ変えていきたい。

カレンダーは、スペレオプロジェクトスペレオオブックスExpeなどで通販で購入可能だ。

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2013年12月 9日 (月)

リムストーンプール各種

 リムストーンプールと呼ばれる鍾乳石がある。水が入っていない場合は単にリムストーンと呼ばれる。

 洞窟の中では結構見かける鍾乳石であるが、形やサイズは様々である。

床を流れる水が、床の上の僅かな段差などを契機に成長して棚田のようになったものだ。ちなみに、このリムストーンプール。トルコのパムッカレや中国の黄龍など屋外にも生成される。国内でも確認されているが、残念ながら綺麗で大規模なものは無い。
 このリムストーンプールは屋外にできたものの方が太陽の光を浴びて見た目には美しいと私は思う。洞窟内のリムストーンプールは自らの照明だけでしか水の青さを出せないので、自前で用意しなければならない。

 屋外にできるリムストーンプールは洞窟内のものとは、やや成因が異なる。所謂棚田の堤に相当する部分がトゥファと呼ばれ、生物の光合成が関与しているという点で洞窟の中のリムプールストーンとは異なる。近寄ってみるとこの堤の部分に落ち葉が混じっていたりということがある。この点では洞窟の中のリムプールのほうが美しいけれど。
 なお、このトゥファを解析すると過去の古気候が再現可能ということで、研究は国内でも行われている。

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   中国四川省黄龍(1991年撮影)

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 水深が浅いと色は出ない。

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 有名になってしまったリムストーンプール

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2013年12月 6日 (金)

空中浮遊鍾乳石

この間の沖永良部ロケの撮影の際に見つけた鍾乳石。

国内では秋吉台に次ぐ、二例目の発見かな。すべての報告を把握している訳ではないから、他にもあるかもしれないが。フェースブックの数千人が登録している洞窟関係ページで聞いても見たことがあるという人がいなかったので、世界的にも珍しいような気はする。ただ、そんなに綺麗なものではないから、誰も気にしていないだけかもしれんけど。
で、これはおそらく蜘蛛の糸か、菌糸の先に鍾乳石がぶら下がっている。

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ちなみに、撮影終わったあとに見つけたので、本放送には使えなかった。

 まだ、タレントさんが居るときなら、螺旋つらら石よりも珍しいものと言えたのかもしれないし、そのタイミングなら、一眼レフを持っていたのでもっと綺麗な写真が撮れた。

 しかし、この時はタレントさんらを洞窟から出洞させて、撤収のために再入洞した時なので、一眼レフは車に置き去り。かろうじて持っていた防水コンパクトカメラでしか撮影できなかった。途中で電池なくなるし。

というわけで、次に行った時にはしっかり撮り直したい。 ともかく、写真を撮っているといろんなものを見つけるなあ。

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2013年12月 2日 (月)

ロケ

 10月以降、TV関係のロケ手伝いに3件行っている。3月以降で見たら5件。

 過去10年余りで見ても7件ぐらいしか手伝ったことがないので今年が異常に多い。過去20年になると記憶曖昧でよく判りません。ズームイン朝に絡んだことがあったような気もするが、気のせいかもと・・・・・。記録をとるのは大事だ。

 直前の話やバラエティー系の番組は基本的に手伝わないつもりではあるのだけれど、なんだかんだと手伝ってしまっていることも多い。ここ2回ほどはロケ地に行く用事があったとか、とある洞窟で世話になっている方が番組のファンでとか受けてしまった。

 昔、どこかの洞窟で発泡スチロールの巨大な玉を転がし破片を洞内に撒き散らかしたような、バラエティ番組はさすがにもう無いし、バラエティでも洞窟の保護や大切さを語ってくれる番組もあるので、一律に断るというものではないのだけれど、あまり頻繁にあるといろいろ考えさせられることが多い。

 誰も洞窟に興味を持つ人が居なければ、洞窟は荒れる一方だけれど、興味を持つ人が多すぎると、オーバーユースで洞窟は荒れてしまうと・・・。バランスが大事なんだが、何処でバランスさせるかは良く判らないなあ。

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2013年11月28日 (木)

日本洞窟学会第39回大会(東京大会)

 11月16-17日に東京で日本洞窟学会第39回大会が行われた。

 諸般の事情で洞窟巡検は行われなかった。東京で巡検といっても適当な穴がないという問題が最も大きいのではあるが、人材不足の面も否めず。

 講演は10題ほど行われた。詳細は日本洞窟学会のWebページをと言いたいが、まだ修整していないので何もない。早くやらねば。

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2013年11月22日 (金)

鍾乳石の泥汚れ

 最近、昔の写真を見返していたところ、ある洞窟にあるリムストーンプールの状況が水があるときとないときで、ぜんぜん違うことに気づいた。

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 少しばかり撮影位置が違うが左中央付近のリムプールの畦の部分など、水が無い方は明らかに泥の流れた跡が残っている。
 今回は同じ側から撮影していないが、水位が50cmほど下がっていて反対側などを見ると、水の無いとき同様に泥の流れた後が残されていた。
 このリムプールの美しい白さと水の青を対比して見ることができるのはリムプールから多量の水が流れ出ている時だけのようだ。

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2013年10月23日 (水)

岩泉

先週、台風迫る前に岩手県の岩泉町にある龍泉洞に仕事に行ってきた。

仕事と言うのはテレビ局の撮影のサポートなのだが、直接受けた訳ではなく岩泉の日本洞穴学研究所が受けた話の下請けなので、当日行くまでは何をするのか判らないままだった。

結果、自分の予想していた内容より遥かに楽々な内容だったので、ずいぶん楽な仕事となった。

撮影内容はまだ未放映なので差し控えるが、いくらか気付いたことなど。 やはり、俳優や女子アナ(テレビ局退職してるようなので、元女子アナかな)は、台本もないのに、ぽんぽん言葉が出てくる。夏にイタリアのテレビ局に「今回の活動について、どう思うか、あなたにとっての意義は何か」などとインタビューされたことがあるのだが、日本語で答えて良いと言われたにも関わらず、すぐに言葉が出なかった。
 けれど、本職さんはさすがだった。まったく間をおかずに言葉が出てくる。まあ、なかにはその発言はいかがなものだろうとか、間違いとか混じってはいるのはご愛嬌か。そのまま放映されてしまわないよう訂正すべきか迷ったが、黙っていることにした。

 

もうひとつは、SRTができると言う俳優さんも、こちらサイドのサポートケイバーも、実のところきちんとした安全なSRTができていないなあと。
 特に基本的なことが正しく出来ていない場合が見受けられた。

 

きちんとした教育を受けていないか、忘れたか、手抜きしたかのいずれかなんだろうけど。
  当日や前日にSRTを教わった女子アナやテレビスタッフの方が動きはぎこちないものの、自己流が混じらないだけにちゃんと出来ているんではないかと錯覚したくなる。

  初日の準備の合間に撮った写真を何点か。写真を撮る暇があるか判らなかったし、ロープなど装備も持つだろうと3.5Lのビトン(壷)に入る機材しか持って行かなかったので、満足の行く写真ではないけれど。

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2013年5月 6日 (月)

危険なケイビングとヘルメットの正しい装着法

 久しぶりの書き込みになってしまったけれど、最近気づいたことが一つあるので書いておかねばと思う。

 ケイビングにおいてはヘルメットは必須とされる装備である。しかし、単にヘルメットをかぶれば良いわけではない。

 大まかに言って、工事現場で使用される作業用ヘルメット。通称ドカヘルとクライミングで使われるクライミングヘルメット、オートバイで使われる二輪車用ヘルメット、他にもカヌーやサイクリング、スキーで使うヘルメットなど多種多彩なヘルメットが販売されている。

 ケイビングで使われるヘルメットはこれらのうち、クライミング用として販売されているものだ。横穴で立って歩けるような場所しか行かないという限定的な条件下であれば、作業用ヘルメットでも用が足りる場合もあるけれど、基本はクライミングヘルメットを使用するべきである。

 そしてクライミングヘルメットであるが、単に頭に乗せればよいというものではなく、きちんと購入時に添付されている使用説明書を読んで使用するものである。間違っても、あご紐を止めずに使用したり、止めてもあご紐のストラップを最大限伸ばして、ゆるゆるで使用しても良いとは書かれていない。緩みがないようきちんと締めるのが基本で、ストラップが締まるのが気になるようであれば、少しだけ緩めても良い。しかし、これ以上伸びないところまで伸ばしても良いとは書いてはいない。

 ということを書かねばならないのは、最近になって録画してあった正月番組で信じられないものを見たせいである。
 出演者の滝川クリステルさんというタレントがストラップを最大限伸ばした状態でケイビングをしていた。転倒時など怪我をしやすい危険なケイビングだ。何故その様なことになったのか。タレントさんやTV撮影スタッフをガイドし安全管理を行うべき立場であろう、2011年頃に設立されたケイビングツアーの業界団体の代表者が、TV画面の中でゆるゆるであったり、さらにはストラップを止めないままケイビングをしているという姿が堂々と映っていた。指導すべき人がそのような姿をしていれば、タレントさんが真似てしまうのは仕方がない。

 この団体はケイビングを案内するケイビング専門ガイドを養成しているとのことである。しかし番組内で「世界的に知られる洞窟探検の第一人者」と紹介されれる代表者が、基本とも言える誤ったヘルメットの被り方をして、皆に推奨しているかのような姿を全国に放映しているとなれば注意喚起をしておかねばなるまい。

 TV出演も多いし洞窟探検歴もたくさんある彼にあこがれて、ケイビングを始めようとした人や、彼からケイビングガイドになるための講習を受けた人が真似をしたらどうするのだろう。

 一般人はシートベルトを締めないと危険だがF1ドライバーは運転が上手だから一般道でシートベルトを締めなくても大丈夫とか、レースでなくサーキットを適当に流しているだけなら締めなくても大丈夫とか、そういったものに準じる話のようでもある。本人は事故を起こさずとも外来的要因による事故は起きるのだから、締めなくともよい話にはならない。ケイビングでも自らは転んだりしなくとも自然落石あるいは人為的な落石を受けたりと外来的要因による事故は起きている。自然落石による事故は極めて少ないけれど他人の引き起こした事象による怪我は時々ある。

 ヘルメットのストラップを止める云々は法律で決められた話でないので、やや事情は異なるとはいえ、皆のお手本になるべき人が、自分は上手だから大丈夫と基本を守らない、安全に配慮しない危険なケイビングを広めるようなことをするのはいかがなものかと思う。確かに、一部で言われているような、一部の研究者やケイバーが危険なケイビングをしていると言う話の実例はあるようで、そしてそれをTVで見るとは思わなかった。

 世界的に知られる洞窟探検の第一人者と紹介される人が、ヘルメットも正しくかぶれないままケイビングしている姿を見たら、他のフリークライミングなどヘルメットを必要とするアウトドアスポーツの愛好者がどう思うだろう。第一人者がこれではケイビングをする人は皆、適当な危険な活動をしていると思われても仕方がない。

 ということで、ほとんどのケイバーは正しくヘルメットをかぶってケイビングをしていますと、声を大にして言っておきたい。ごく一部の安全に配慮しない。手抜きをする人はそうではないかもしれませんが、こうした人はどんなスポーツにおいても一定数存在します。まあ、そうした人が第一人者となっている例はほとんどないと信じたい。ケイビングはそのほとんどない例に該当してしまいそうなのが悲しい。


 

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2012年12月29日 (土)

日本洞窟学会第38回大会(彦根大会)

もう先月になるが、日本洞窟学会第38回大会(彦根大会)が行われた。
プレ巡検として、河内風穴巡検、ポスト巡検として、近江カルスト巡検。また関連企画としてSRT講習と洞窟救助講習(スペレオ甲子園)が行われた。

 参加者は40名ほど(巡検などのみの参加者を含めば80人以上)と、思いのほか人が集まった。

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私は、大会運営にあたっていたので、基本的に会場に張り付きであったので、好きなようには動けなかったがまあ仕方がない。気楽な立場であれば子連れで参加したかったところではある。

最終日にはSRT講習班に付き合って竪穴に行ったのだが、大会準備に忙殺されたせいか、洞窟用の長靴を忘れ意気消沈。しかも20mぐらいとの前情報の竪穴が実は6mぐらいの深さしかないことがわかり、さらに意気消沈。結果、洞口待機で一日を浪費してしまった。唯一の救いはディギングできたことだけ。やはりディギングは楽しい。

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